【体験談】現役プログラマーが語る、未経験からSES企業で働くメリット・デメリット

 
プログラマー
未経験者
最近よく聞くSESってどうなの?実際にSES企業で働いている人の意見を聞きたい。未経験からでもSES企業に就職できるの?


こういった疑問に答えます。

・そもそもSESとは?
・派遣と何が違うの?
・未経験がSES企業で働くメリット
・未経験がSES企業で働くデメリット
・SES企業を選ぶ際のポイント3つ
・おすすめの就職・転職サイト


こんにちは、完全未経験でSES企業に就職してプログラマーとして働いている、あゆりです。

そもそも完全未経験からプログラマーになれるの?
こういった質問をよくされるのですが、答えはYesです。

私は元々パソコンが苦手で、大学時代にパソコンの授業の単位を2回も落としたことがあります笑
そんな私でもプログラマーになれたので全く問題ないです。

さて、昨今、未経験からエンジニアやプログラマーになる人も増えてきて、就職先の企業として「SES企業」ってよく聞くようになったと思います。

未経験だけどプログラマーになりたい!っていう人や、転職しようかなと考えている人もいると思いますが、同じ職業でも企業によって働き方は変わってきます。

今回は、実体験も踏まえて「SES企業」にフォーカスして、メリット・デメリットを紹介したいと思います。

自分が経験した未経験からという目線ではありますが、実際のSES事情がわかると思うので、未経験でない方も参考にしてみてください。

前置きが長くなりましたが、さっそく見ていきましょう。


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そもそもSESとは?


まず、SESがどんな企業なのか、どんな仕組みなのかを知らないと、メリット・デメリットも理解できないと思うので簡単に説明します。

もうわかっているよって人はスルーしてくださいね。

SESとは、システムエンジニアリングサービスの略で、クライアントに技術者の労働の提供を行う雇用契約の一種です。

文字だけで説明してもわかりずらいと思うので、図で見てみましょう。
下記のようなしくみですね。

「技術者」は自分で、「SES企業」は技術者が雇用契約している会社ですね。
「クライアント企業」は、実際に働く会社です。
つまり、技術者はSES企業に正社員として雇用されているが、実際に働く場所は別のクライアント企業ということです。

案件によって配属される期間も違いますし、期間中であっても希望をすればクライアント企業を変更することもできます。

ここでみなさん、思いませんか?
「あれ?派遣と何が違うの?」

よく友達に説明すると、実際に同じことを言われることがあります。
派遣エンジニアとの違いも説明しますね。

派遣エンジニアと何が違うの?


そもそもSESのような客先に常駐して労働する雇用形態には大きくわけて4つあります。

それは委任契約、準委任契約(SES契約)、請負契約派遣契約です。

1つずつ見ていきましょう。

・準委任契約(SES契約がこれにあたる)

準委任契約とは、「法律行為に関わらない業務」を委託する契約を指しています。
例えば、デザイナーやエンジニア、プログラマーなどが行う業務は、法律行為に関する業務に値しないので、準委任契約となります。
つまりSES契約がこれにあたります。

準委任契約には、次のような特徴があります。

①完成を目的としない一定の業務を行うことで報酬をもらう雇用契約のため、成果物が完成しなくても責任を問われることはない。
②契約当事者の双方がいつでも契約の解除ができる。
③仕事を依頼する委託側から、業務をする受託側に指導命令する権限がない。


・委任契約

委任契約とは、「法律行為に関する業務」を委託する契約を指しています。
例えば、弁護士に弁護を依頼する等の業務は、法律行為に関する業務に値するので委任契約となります。

委任契約の特徴は、準委任契約と同じです。

委任契約と準委任契約の違いは、「法律行為の業務」か「法律以外の業務」かですね。


・請負契約

請負契約とは、委任契約や準委任契約と違い、受注した業務を完成させる責任があり、成果物を完成させることで報酬が発生する契約です。
例えば、発注者から委託されたアプリ開発を受託側が仕様書通りに完成・納品させて、その対価として報酬を得るような契約形態です。

請負契約には、次のような特徴があります。

①成果物を完成させることで、報酬が発生する。
②仕事を依頼する委託側から、業務をする受託側に指導命令する権限がない。


・派遣契約

派遣契約とは、業務を委託する側が派遣会社と契約を結び、労働者として派遣してもらう契約です。
例えば、派遣会社Aが企業Cと派遣契約を結び、派遣社員Bが企業Cに出向し受注した業務を行うことになります。

派遣契約には、次のような特徴があります。

①完成を目的としない一定の業務を行うことで報酬をもらう雇用契約のため、成果物が完成しなくても責任を問われることはない。
②仕事を依頼する委託側から、業務をする受託側に指導命令する権限がある。


以下に比較表をまとめてみました。
これでSESと派遣の違いも理解いただけたかなと思います。

種類説明指導命令報酬
SES
(準委任)
雇用者をクライアント企業(委託側)に派遣して、技術を提供す
ること。※法律行為以外の業務
受託側作業時間
委任雇用者をクライアント企業(委託側)に派遣して、技術を提供す
ること。※法律行為の業務
受託側作業時間
請負クライアント企業(委託側)から完成を目的とした依頼を受け、
成果物を完成・納品すること。
受託側納品物
派遣クライアント企業(委託側)の指導命令のもと、作業する労働力
を派遣会社が提供すること。
委託側作業時間


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未経験がSES企業で働くメリット


実際に私が感じたSES企業で働くメリットを5つ紹介します。

メリット1:未経験からのプログラマーが多い


SESは、IT業界でも入社の難易度がとても低いです。

未経験でもできる案件が豊富にあるので、業界の知識がなくても正社員として採用されやすいのです。

はっきりいうと、完全未経験者が「自社開発企業」や「受託開発企業」に就職するのは難しいです。
なぜなら、スキルや経験が求められるからです。

そのため、SESには未経験で入ったプログラマーやエンジニアがとても多いです。


メリット2:色々な職場で経験を積み、スキルアップできる


SES企業ってググるとよくSESはスキルアップしにくいとか書かれていますが、実際に未経験から就職した私からすると、そんなことありません。

未経験からすると、やることすべてが初めての体験でプログラミングの知識だけでなく、いろんな業界の情報を知ることができます。

つまり常駐先が変わるたびにいろんなスキルや情報を身に着けることができるのです。

自分の知らなかった企業や業界の知識を知ることができるのは刺激的でもありますし、たまに大手や有名企業のような直接採用してもらうことが難しいような企業に派遣してもらえる可能性もあります。


メリット3:案件に参画できなくても、給料をもらえる


SESは、時期やタイミングによって案件がなく、仕事がない時もあります。

しかし、正社員として雇用契約を結んでいるので、給料はしっかり支払われます。

案件に参画できない間は、自社で研修をしてもらったり、自分が勉強したい言語や技術を習得する期間に当てることもできるのです。

案件に参画できないからといって給料が支払われないということはありません。


メリット4:納品義務がないため、残業の融通がきく


SES契約は、納品義務がありません。

そのため、納品物を完成させるために過度な残業をしたり、ストレスを抱えながら業務をすることが少ないです。

仕様変更やスケジュールの遅れが発生した場合でも、プロパー(クライアント先の社員)に重圧がかかりますが、パートナー(SES契約の技術者)はそういったことがありません。

もちろん、適当に仕事をして良いということではありませんよ。


メリット5:人間関係などで悩まされにくい


SESはずっと同じクライアント先に常駐するということはありません。

そのため、必然的に職場の人間関係に悩まされる可能性が低いです。

仮にもし、人間関係の構築がうまくいかず、ストレスを感じてしまったら、案件(クライアント先)を変更することも可能です。

余計な人間関係に頭を悩まされることもないので、ストレスが減り業務に集中しやすいかもしれませんね。


未経験がSES企業で働くデメリット


実際に私が感じたSES企業で働くデメリットを5つ紹介します。

デメリット1:案件ガチャである


SESの一番のデメリットは、案件ガチャ(つまり、どんな案件も実際に配属されてみないとわからない)であるということです。

これはSESに就職したら誰もが通る道ですが、基本的に自分の持っているスキル、今後伸ばしていきたいスキルややりたいことなどを営業がヒアリングし、それに近い案件を提示してくれます。

あくまでも、書面ベースですので、どんな人が働いているとか実際にやる業務などは配属されてみないとわかりません。

運よく自分のやりたいことができる場合もありますが、そうでないときもあります。

ただ、これはSES企業のメリットでもあるのですが、配属してみて合わないなと感じたら、案件(クライアント先)を変えることも可能です。

会社の人にダメって言われたらその会社も辞めてしまいましょう。

この世にSES企業は腐るほどありますし、どこも人手不足です。


デメリット2:広く浅い習得になる


SESは、ずっと同じ現場にいることがないので、苦労して覚えた言語や技術を今後一切使わないということもあります。

さまざまな経験を積むことができますが、1つの言語をプロフェッショナルに極めたい!という人には向かないかもしれないですね。


デメリット3:現場での立場が弱い


SESは、客先に出向して働くということで、いわゆる派遣と同じ扱いなので、重要な情報などは最後に回ってきます。

案件にもよりますが、仕様を決めたり設計の段階に関われないこともよくあります。


デメリット4:人間関係が毎回リセットされる


参画する期間は、プロジェクト内容によって1年以上いる場合もあれば、3か月程度の場合もあります。

そのため浅い人間関係のまま現場が変わるということはよくあります。

ただ、わたしは一番最初の現場の人たちとは現場を変えた今でも飲みに行ったりすることもあります。
結局は、期間ではなく合う合わないなのかもしれませんね。

ただ逆に言えば、めんどくさい人間関係とかはないのでメリットな部分でもあります。

SESはしょっちゅう新しい現場になるので、新しい環境に慣れたりその度に人間関係を構築するのに少しストレスを感じたり不安になってしまうこともあるかもしれないですね。


デメリット5:自社への帰属意識が薄くなる


SESの場合、当然働く場所は自社ではなくクライアント先になります。

また、クライアント先も変わっていくので、自分がどの会社に所属しているのかと言う認識が曖昧になり、帰属意識が薄くなります。

会社にもよりますが、SESの場合は大体月に一回程度の帰社日と言うものがあります。

それぞれの現場で働いている自社の社員が一斉に集まる日ですが、クライアント先での仕事が優先のため、なかなか帰れないこともあります。

そうなってしまうと、さらに自社への帰属意識も失われていってしまうのです。


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SES企業を選ぶ際のポイント3つ


これまで説明したように、SESで働くことにはメリットもデメリットもあります。

ただ、このデメリットは就職した会社によって差もあり、未経験からキャリアをスタートさせるには、すごく適している会社もたくさんあります。

なので、SES企業を選ぶ際のポイントを紹介したいと思います。


ポイント1:社員研修に力を入れているか


SESとは、クライアント先に技術力を提供するシステムです。

そして、上でも説明しましたが、SESの場合作業指示や指導命令は委託側(クライアント先)ではなく受託側(SES企業)にあります。

つまり、技術教育の機会があることは大前提です。
それにも関わらず、中にはしっかりと教育制度を設けていない企業もあります。

なので、自社(SES企業)で技術制度を設けているかどうかを、会社のホームページなどで、チェックしてみましょう。


ポイント2:営業担当者が親身になって話を聞いてくれるか


SESとは、営業担当者が仕事をとってきて、その仕事を技術者に振り、その技術者が委託した会社(クライアント企業)に常駐して仕事をします。

もちろん、営業担当者は技術者の希望や要望を聞いてくれますが、その仕事をとって来れなければ、希望する仕事はできません。

そのため、どのような営業をしているのかを見極めるのも、SES選びで大事です。

また、職場での人間関係や仕事の不満を相談する相手は、常駐先を担当する営業担当者(自社の)が窓口になってくれることが大半です。

営業担当者の人柄もそうですが、話をちゃんと聞いてくれるか、困ったときにすぐに連絡を返してくれるかなどというのも、大きな見極めのポイントになるでしょう。


ポイント3:一次請け案件をどれくらい保有しているか


まず、一次請けがなんなのかわからない方のためにも説明します。

そもそもIT業界は、多重下請け構造になっています。
例えば、大手の会社がどこかの会社から仕事を依頼された場合、その会社自体で開発することはほとんどありません。

見積もりやスケジュールを組んで、要件の確認などの開発に必要な書類を作成したら、あとは別のシステム会社に開発を依頼します。

また、依頼を受けた会社も大手の会社のように別のシステム会社に依頼することがあります。

こういう風に次の会社、また次の会社へと流れていく構造を、多重下請け構造といいます。

お客様から直接仕事をもらう会社が一次請けとなります。

一次請け企業から仕事をもらう会社は、二次請け・三次請けということです。

クライアント先が二次請け・三次請け企業が主体のSESでは、エンジニアの処遇は悪くなりがちなのでお勧めしません。

一次請け企業が主体でしたら、過重残業や休日出勤を強いられるケースはありません。

一次請け企業の案件の比率がどの程度あるかも確認しましょう。


おすすめの就職・転職サイト


未経験の方がIT業界に就職、転職する際におすすめのサイトを3つ紹介します。

①:WORKPORT

【WORKPORT公式ホームページ】


WORKPORT(ワークポート)は、特にIT・WEB業界に強い転職エージェントです。

求人数も多く、キャリアコンシェルジュの専門性の高いサポートも人気です。

また、未経験の方に対する手厚いサポートと支援を行っており、「みんスク」という、無料エンジニアスクールを運営しているのも人気が高い理由です。

WORKPORTの口コミを紹介します。


口コミ

東京都:山田 花男(20代・男性)
非公開求人が多いことに驚きました。
私の志向にマッチした求人をたくさん紹介してもらえたので、満足です。


東京都:山田 花子(20代・女性)
WORKPORTは、対応が極めて早かったです。
初回面談をした日のうちに20件、翌日に50件以上の案件が送られてきました。
メールへの返信も即日中に頂けることも多く、非常に助かりました。


②:リクルートエージェント

【RECRUIT AGENT公式ホームページ】


リクルートエージェントは、国内最大級の転職サイトなので案件が豊富です。

面接対策もしっかりやってくれるので安心です。

とにかく大手なので、まずはここに登録しておきましょう。

リクルートエージェントの口コミを紹介します。


口コミ

東京都:山田 和子(30代・女性)

第2新卒、かつ一般事務職しか経験のない状態で、他のエージェントでは紹介できる案件はないと言われ諦めていたが、リクルートエージェントでは30件以上の案件を提示してくれました。
面接対策もばっちりしてもらい、キャリアをスタートさせることができました。

東京都:山田 和夫(20代・男性)

志望先が外資系で、特殊な面接をする業界だったため不安が大きかったが、過去の面接質問例を頂いたり、実際に電話で練習に付き合ってくれたりと、本当によくして頂きました。
担当者は外資系には詳しくなかったものの、社内にいる詳しいコンサルタントの方を連れてきてくれました。

熱心さは他社に比べ物にならないです。


③:マイナビエージェント

【マイナビエージェント公式サイト】


マイナビエージェントは、こちらも大手で案件が豊富です。

中小企業や第二新卒のための独占案件なども多いと評判です。

面接対策や履歴書添削などもやってくれる、サポートの熱意があって丁寧です。

こちらも定番なので登録しておいて損はないでしょう。

マイナビエージェントの口コミを紹介します。


口コミ

東京都:山田 康子(20代・女性)

取り合ってもくれないエージェントもあったが、マイナビさんはできる限りの求人を紹介してくれてとても助かった。

連絡も速く、安心して転職に臨めたこともよかった。


東京都:山田 康雄(20代・男性)

担当の人の対応がとても素晴らしかった。話もしっかりと聞いてくれた上で提案もしてくれて、他のエージェントさん達よりも心強かったです。

特に、初めての転職だったので職務経歴書・履歴書が不安だったのですが、丁寧に添削してくれたのが印象に残っています。


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結論:未経験からSES企業はあり


これまで紹介したように、SESにはメリットもデメリットもあります。

ただ、結局は案件をどう活かすか自分次第なのです。

スキルアップできないような案件なら参画しなければいいし、現場に入ってからそれがわかったらやめてしまえばいいと思います。

しかし、未経験からエンジニアになるのにまず一番重要で大切なことは、「経験を積むこと」です。

研修がしっかりしているSESで経験を積んでから、フリーランスになるでも良いし、自社開発している会社に就職するもよしだと思います。

ネットでSESを調べると、ネガティブな意見も出てきますが、実際にSESで働いている私からすると、考え方次第だと思います。

転職やフリーランスになることを前提で、経験を積みながらスキルアップしていくということに重きを置くなら、未経験からSES企業に就職はアリだと思います。

というわけで今回は以上です。

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